瞑想の意識は、なにか神秘的で、この世のものではない、特殊な意識ではないか、と一般の人の誤解をまねいているように思われます。
実は瞑想のときの意識は、私たちがすでに日頃、ときどき経験しているかもしれません。
ただし、それは瞬間的で、一秒とか二秒くらい。
そのことに気がついている人はあまりいないでしょう。
たとえば、なにか珍しいものを見てハッとすることがありますね。
「えっ? これって、なに?」と思って、意識が自然に明澄になり、心が空っぽになるときがありませんか。
そのとき、一瞬ですが、瞑想に非常に近い状態になっているのです。
興味深い講演に一心に耳を傾けているときもそうです。
講演者がちょっと間を入れるその瞬間、聞き手は思わず心を澄ませ、瞑想状態を体験しているのです。
すぐれた芸術家がフッとすばらしい思いつきを得たとき、そのすこし前には、深い静かな気持ちになっているものです。
ノーベル賞級の発見や発明をするような人も同じだと思います。
ただそれらの人には、瞑想をしたという意識はまったくないかもしれません。
事業に成功する人たちもそうです。
よい企画を思いついた人はかならず、仕事に集中し疲れてちょっと休んでいるときに心が空になって、いいアイディアや霊感がひらめくのです。
「私は一所懸命、毎日のように瞑想をしているのですが、いっこうに先生のように霊感というものがやってきません」ある瞑想に熱心な人がぼやいたところ、先生はこう答えています。
「きみは事業に成功して、うまくやっているじゃないか。
このあいだの企画は自分で思いついてやったんだろう。そして、それがうまくいっているんだろう?その思いつきが霊感じゃないか。
人に相談しないで、自分で考えてうまくいったときは、霊感が湧いたということだよ」
この言葉は、直接先生から聞いた聞き覚えです。
つまり、瞑想から生まれる霊感というものは、身近なところにあるということなのです。